火傷

火傷した所がまだ痛くて、くっきりついたアイロンの赤い跡をなぞる。

 

自分が嫌いだ。

自分の意見はっきり言えないし、人の顔色伺うし、誰にでも良い顔しちゃうし。別の人になりたくて、買った自己啓発本。読んでもやっぱり自分は自分だ。

 

悩みは、生きてる人間の特権だと、昔読んでた少女漫画に書いてあった。確かに健康な今、悩みは会社、そして自分。もし健康じゃなかったら、悩みは体のことだろうし。分かってる。今心を埋め尽くしてる悩みなんてちっぽけだ。だから、きっと、私はまだ大丈夫。

 

だけど、たまにどうしようもなく悲しい夜がある。消えてしまいたくなる夜がある。誰かの優しさの声も、届かなくなる日。誰かの何の気なしの一言にも傷ついてしまう日。涙が出てくる日。